こんにちは、わかなです( ᵕᴗᵕ )
この記事では、映画「君たちはどう生きるか」を観た感想をご紹介します。「こんな解釈をする人もいるのか~」と、読んでいただけたら嬉しいです。
※ネタバレを含むので、ネタバレしたくない方は閉じてください( ᵕᴗᵕ )
一切宣伝なしのジブリ映画「君たちはどう生きるか」
スタジオジブリ公式サイトでは、以下の情報のみ公開されました。
ポスター
原作・脚本・監督:宮﨑 駿
製作:スタジオジブリ
君たちはどう生きるか – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI
あえて、その他は一切宣伝なしで公開されました。
「分からなかった」&「分からなくてもいいのでは?」
わたしは、高須幹弥先生(高須クリニック)のYouTubeの動画を見て、その日に映画を観ました。
高須幹弥先生は「分からなかった」と発言されていたので、読解力のないわたしには難解なのだろうと思いました。一方で、どれだけ「分からない」映画なのだろうと興味が湧きました。
実際に観た結果、「分かりません」でした。しかし、「分からなくてもいいのではないか」と思いました。
なぜなら、作者のメッセージは明確には分かりませんでしたが、わたしなりにメッセージを受け取ることができたからです。
また、「君たちはどう生きるか」というタイトルからも、もはや単一のメッセージを伝える映画ではなく、「それぞれの人に問を投げかけ考えさせる映画」なのだと考えたからです。
感想| ニーバーの祈り的なメッセージを感じた。これは観客へのプレゼント?
ニーバーの祈りとは
ニーバーの祈りは、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバー(1892–1971年)が作者であるとされる、当初、無題だった祈りの言葉の通称。
ニーバーの祈り – Wikipedia
です。具体的な祈りの日本語訳は、
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。一日一日を生き、
この時をつねに喜びをもって受け入れ、
困難は平穏への道として受け入れさせてください。これまでの私の考え方を捨て、
イエス・キリストがされたように、
この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています。
そして、この人生が小さくとも幸福なものとなり、天国のあなたのもとで永遠の幸福を得ると知っています。アーメン
ニーバーの祈り – Wikipedia
です。
特に、①「変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。変えるべきものを変える勇気を(、…)与えてください。」
②「困難は平穏への道として受け入れさせてください。」
③「この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。」
がこの映画のメッセージと共通していると感じました。
母が残した本「君たちはどう生きるか」が主人公を覚醒させた
子供の主人公は、戦時中、母を亡くし、母や住む場所も学校も変わり、いじめを受けます。非常に辛い状況だと思います。母に会いたいと思います。また、(時代背景もあると思いますが、)すぐに新たな母を迎え入れた父に対して不信感や虚無感などを抱いたのではないかと思いました。義母に対しても複雑な気持ちを持っていると思われます。
そんな時に見つけた、母が主人公に残した本「君たちはどう生きるか」は、主人公の心にジーンと響き、辛い状況から一歩踏み出す力になったと思いました。
塔は、「人生で道に迷った時の葛藤」を象徴している?
主人公だけでなく、義母も葛藤があったと思います。義母は、主人公から母と認られない辛さや、主人公が苦しんでいることに対する罪責感、姉の死への悲しみなどから、これでいいのか分からないと葛藤していたのではないかと思います。
そんな主人公や義母が引き込まれていった塔は、「人生で道に迷った時の葛藤」を象徴しているのではないかと感じました。
塔の中では、「ここはどこだろう。どうしたらいいかわからない。苦しい。苦しいけど前に進みたい。いざ進んでみると時には裏切られ傷つく。傷ついて疑いながらも何か答えがあると信じる。」といった主人公が葛藤しながらも前に進もうともがく姿が描かれていました。
変えられないものを受け入れ、変えるべきものを変える勇気を手に入れる主人公
葛藤していると、はじめはどうしたらいいのか混乱していたけれども、次第に自分が変えられないことを受け入れ(母の死とか?新しい母とか?)、変えられないものも含めて自分なんだと認識します。
そしてそのとき自分はどう生きるか、変えられるもの(いなくなった母を見つけ出すとか?自分はとう生きていきたいかとか?母に情けなくないように生きるとはとか?)に視点をシフトし、変える勇気を手に入れます。
この罪深い世界をそのままに受け入れる主人公
あるとき大叔父は、黒を受け入れず、純白こそがよいという価値観で、主人公に対して純白な世界を作っていってほしいと求めます。しかし、主人公はそれを断り、罪深い世界のなかで自分が進みたい道を生きていくことを決断します。
また、辛かった時を思い起こすような傷跡も、最後にはそのままに受け入れます。まるで、自分が困難を乗り越えた証だと言っているようにさえ感じられます。
困難を乗り越え平穏への道へと進んでいく主人公
そのような、塔での一連の葛藤を乗り越えた後、主人公と義母はお互いに親子と認め合い、家族として前を進みだします。
「困難も丸ごと含めて受け入れ、乗り越えてこそ人生なのだ。そして、それが生きる糧となるのだ」と教えてくれたような気がしました。
この映画は宮﨑駿さんからプレゼント!? Σ(゚∀゚ノ)ノ
考えているうちに、これは、母が主人公へ残した本のように、宮﨑駿さんが観客に残したプレゼントなのではないかと感じました。
「君たちはどう生きるか」と投げかけられている!? Σ(゚∀゚ノ)ノ
そのうえで、観客であるわたしたちは、「この映画を観て君たちはどう生きるか」と宮﨑駿監督から投げかけられているのではないかと感じました。
まるで、自分たちが主人公のような気持にさせられます。
番外編| 余談です
高須幹弥先生の動画は映画は前情報としていいのでは!?
高須幹弥先生が「分からなかった」と言っているのを聞いたため、いい意味で期待をせずに観れました。分からないだろうと心構えをしていたおかげで、分からないときのモヤモヤも軽減されました。
ご参考までにリンクを貼らせて頂きます。
考えさせられるため記憶に残った
今まで、映画を観てここまで考えさせられることはなかったと思います。謎があることでずっと考えてしまい、記憶に残ります。
もう一度「君たちはどう生きるか」を読んでみようと思った
もう5年以上も前に小説を読んだので、正直細かい内容は忘れてしまいました。しかし、コペル君に宛てたおじさんのノートが大好きだったことをよく覚えています。わたしもこの映画の主人公のように涙しました。その後、漫画版もチラリと読んだのですが、小説版を読んだ時の感動は忘れられません。早速もう一度読みたいと思います。
まとめ| とても考えさせられる映画でした(ˊᗜˋ*)”
「宣伝もなければ、観ても分からない」。宮﨑駿監督本人も「分からない」。
そんな謎多き映画ですが、「分からない」からこそよく考えさせられる映画です。
分かっても分からなくても、どちらでもいいのだと思います。何を感じてもいいんだと思います。
そして、最終的にはみんなに「君たちはどう生きるか」と投げかけてくれる映画なのではないかと思いました。
読んでいただきありがとうございました(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*
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